🏠 この記事の結論
民泊の予約先を比べる軸は、料金でも物件数でもなく「どの制度の宿を扱っているか」です。日本の民泊は旅館業法・国家戦略特区法・住宅宿泊事業法の3つに分かれます。泊まれる日数も部屋の広さの基準も、制度ごとに別物になりました。
- 民泊新法の届出住宅は年間提供日数が180日以内。連泊や長期滞在で差が出る
- 仲介する会社が適法かどうかは、観光庁の登録業者一覧にある番号で読者自身が確かめられる
- Airbnbは登録番号S0001、Booking.comはS0044(令和8年6月22日時点)
- 予約前に見る点は、総額・キャンセル規定・本人確認・宿泊者名簿の4つ。どちらのサイトで予約しても共通する
民泊の予約サイトは似た画面をしていますが、扱っている宿の法的な位置づけはそろっていません。旅の手続きでは、各社の宣伝文ではなく観光庁が公開している一次資料だけを使って、予約前に自分で確認できる形に整理しました。この記事の数値と制度の説明は、2026年10月2日時点で公開されている観光庁の民泊制度ポータルサイトと、各予約サイトの公式ヘルプ・利用規約の記載にもとづいています。
まず、制度の枠組みから確認します。
民泊予約サイトを比べる前に|日本の民泊は3つの制度に分かれる
日本で民泊として泊まれる宿は、旅館業法の許可・特区民泊の認定・住宅宿泊事業法の届出という3つの入口のいずれかを通っています。どれを通った宿かによって、泊まれる日数も部屋の広さの基準も変わります。

観光庁の民泊制度ポータルサイト「はじめに「民泊」とは」によると、「民泊」という言葉に法令上の明確な定義はありません。住宅の全部または一部を使って旅行者に宿泊サービスを提供することを指す、一般的な呼び方だと説明されています。そのうえで同ページは、2018年6月の民泊新法の施行以降、国内で民泊を行うには次の3つから選ぶことになる、と整理しました。
| 比べる点 | 旅館業法(簡易宿所) | 国家戦略特区法(特区民泊) | 住宅宿泊事業法(民泊新法) |
|---|---|---|---|
| 許認可等 | 許可 | 認定 | 届出 |
| 営業日数の制限 | 制限なし | 2泊3日以上の滞在が条件 | 年間提供日数180日以内(条例で実施期間の制限が可能) |
| 住居専用地域での営業 | 不可 | 可能(自治体ごとに制限がある場合あり) | 可能(条例により制限されている場合あり) |
| 最低床面積 | 最低延床面積33㎡(宿泊者10人未満は3.3㎡/人) | 原則25㎡以上/室 | 3.3㎡/人 |
| 宿泊者名簿の作成・保存義務 | あり | あり | あり |
出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト「はじめに「民泊」とは」【3つの制度比較】表より作成
旅行者の立場で効いてくるのは、営業日数と部屋の広さの2つ。年間180日という上限がかかるのは届出住宅だけなので、繁忙期には「この日だけ予約が取れない」という現象が起きます。長期滞在を考えているなら、旅館業法の許可を受けた簡易宿所や特区民泊を先に当たるのが近道です。
規模の感覚もつかんでおくと、選択肢の広さが読めます。観光庁が公開する「住宅宿泊事業法の施行状況」の一覧表によると、令和8年9月15日時点の全国の届出件数は67,932件でした。うち事業廃止件数が24,895件あり、差し引いた届出住宅数は43,037件。届け出たあとにやめた住宅がこれだけある以上、検索でヒットした物件が今も動いているとは限りません。
予約サイトが適法かを確かめる2つの手順
サイトの信頼性は口コミ数ではなく、観光庁の登録業者一覧に載っているかどうかで機械的に判断できます。これは誰でも無料で確認できて、しかも法律上の裏づけがある数少ないチェック方法です。
観光庁「住宅宿泊仲介業者および民泊を取り扱う旅行業者のリスト」によると、届出住宅の仲介を他人に委託するときの相手は、登録を受けた仲介業者か旅行業者に限られます。これが民泊新法第12条の定めです。それ以外へ委託した場合は業務改善命令等の対象になり、法第75条により50万円以下の罰金が科されることもあると明記されていました。
手順1|サービス名を登録業者の一覧で引く
同ページの仲介業者一覧(令和8年6月22日時点・登録番号順)には、海外系サービスの運営会社が並んでいます。主要なところでは次の3社。
| サービス | 一覧の会社名 | 登録番号 |
|---|---|---|
| Airbnb | Airbnb Global Services Limited | S0001 |
| Booking.com | Booking.com B.V. | S0044 |
| Agoda | AGODA TRAVEL SERVICES PTE. LTD. | S0118 |
出典:観光庁 民泊制度ポータルサイト 仲介業者の登録簿(令和8年6月22日時点)
一覧には会社名で載っているため、サービス名では見つからないことがある。その場合は、運営会社名を公式の会社情報で確かめ、その名前で引く。
同じページの「民泊を取り扱う旅行業者のリスト」(令和7年3月末時点)には、楽天ステイ株式会社(登録行政庁:観光庁長官/登録種別:第1種/登録番号2137)が載っています。報告のあった会社だけの掲載で、名前がなくても民泊物件を取り扱うことは可能、と注記されていました。
ここで注意したいのは、名前が載っていない=違法、ではないという点。この登録簿はあくまで届出住宅を仲介する事業者を対象にしています。旅館業法の許可を受けた宿だけを扱うサービスは、そもそも対象外。じゃらんや一休.comのように、2つの一覧のどちらにも社名が見当たらないサービスもあります(2026年10月2日に確認)。その場合は、物件ごとに許可・認定・届出のどれかを確かめます。
手順2|物件ページに届出番号が書かれているかを見る
サービス単位の次は、物件単位の確認です。観光庁「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?」によると、家主居住型の事業者には、衛生確保措置や宿泊者名簿の作成・備付けとあわせて標識の掲示が義務づけられています。家主不在型なら、標識を除く措置を住宅宿泊管理業者へ委託する義務。
標識には届出番号が入ります。そのため、物件ページの説明欄に「M」で始まる番号が書かれているかどうかが一つの目安です。記載がなく、問い合わせても示されない物件は、旅の手続きでは候補から外すことをおすすめします。
主要8サイトの位置づけと、公式で確認すべきこと
8つのサイトは「海外系の仲介業者」「国内の旅行業者系」「旅館業法の宿が中心」の3グループに分けると整理できます。グループが違えば、比べるべき項目も変わります。

- Airbnb(公式サイト):観光庁リストにS0001で掲載。住宅宿泊仲介業者としては登録番号が最も若い。公式ヘルプのフッターにも同じ番号が書かれている
- Booking.com(公式サイト):Booking.com B.V.がS0044で掲載。宿のキャンセル規定などは宿ごとに別々で、予約手続き中に表示される
- Agoda:S0118で掲載。運営会社はシンガポール法人
- Vrbo:運営会社名と登録番号の対応を公式ページで確かめられなかったため、この記事では番号を載せない。予約前に公式の会社情報で運営会社名を確認し、観光庁リストで引く
- 楽天トラベル(公式サイト):旅行業者リストに楽天ステイ株式会社が掲載されている。楽天トラベルとの関係は、予約前に公式の案内で確認する
- じゃらん:2つの一覧に社名が見当たらない。扱う宿の制度は物件ページで確認する
- 一休.comバケーションレンタル:同じく2つの一覧に社名が見当たらない。物件ごとに制度を確認する
- STAY JAPAN(公式サイト):トップページで民泊・農泊・貸別荘・コテージ・古民家・城泊・宿坊などの予約サイトと案内されている
手数料の仕組みは、各社が自社のヘルプや規約で説明しています。Airbnbヘルプセンター「Airbnbサービス料」には、宿泊予約のサービス料に2つの体系があると書かれています。ホストとゲストが分け合う分割負担型と、ホストだけが負担するシングルサービス料です。
分割負担型では、ゲストサービス料が予約前の料金内訳に載り、通常は予約料金の小計の14.1〜16.5%です。シングルサービス料では、サービス料の全額がホストの受取金から差し引かれます。同ページによると、Airbnbは宿泊ホスト全員をシングルサービス料へ移行している途中で、分割負担型は段階的に廃止される予定です。
ゲスト向けのサービス料が別立てで出るかどうかは、体系によって変わります。体系は物件ごとに違う可能性があるので、料率を覚えるより予約直前の料金内訳を見るほうが確実です。他社の料率は記事に並べず、確定画面の総額と検索一覧の金額を見比べる形にしています。
目的別の選び方|3つの分かれ道
選ぶ順番は「日程 → 制度 → サイト」です。サイトから入ると、制度上そもそも泊まれない日程を探し続けることになります。
- 連泊・長期滞在をしたい:年間180日の上限がないのは旅館業法の許可を受けた宿と特区民泊。サイト名では決まらないので、物件ページの許可・認定・届出の記載で見分ける
- ホテルと迷っている:同じ日程・同じ人数で、確定前の総額とキャンセル規定を並べる。宿泊料だけの比較は避ける
- 住宅そのものに泊まりたい:物件ページの届出番号を確認する。番号が書かれていなければ、予約前にホストへ問い合わせる
エリアを決めてから探すなら、沖縄のおすすめ民泊・一棟貸しや京都の民泊・町家ステイの記事で、地域ごとの探し方を先に押さえておくと絞り込みが速くなります。
AirbnbとBooking.comはどちらが安い?予約前に比べる4点
どちらが安いかは、検索一覧の金額ではなく、確定前の総額で決まります。同じ宿でも、料金の内訳の出し方が違うからです。
| 確認する点 | Airbnb(公式ヘルプ) | Booking.com(利用規約) |
|---|---|---|
| 料金の見え方 | ゲストサービス料は予約前の料金内訳に載る(分割負担型で通常14.1〜16.5%)。シングルサービス料は全額がホスト側の負担 | 予約すると、追加料金と税金を含む料金の支払いに同意したものとみなされる。追加料金やデポジットなどのポリシーは、予約手続き中・重要情報・確認メールに記載される |
| キャンセル規定 | 宿泊先ページの「留意事項」の「キャンセルポリシー」で、無料キャンセル期間の有無を確認できる。予約手続き中(お支払い前)にも確認できる | キャンセル料や返金は、宿ごとのポリシーで変わる。無料でキャンセルできない予約も、一定の期限前だけ無料の予約もある |
| 本人確認 | 予約するゲストにも本人確認が必要。期限までに完了しないと予約は保留になり、同じ日付に他のゲストも予約できない | 確認した規約の宿泊施設の項には、予約時のゲスト本人確認の定めが見当たらなかった(「身分証」の語で検索)。チェックイン時の確認は、宿ごとの案内で確かめる |
出典:Airbnbヘルプセンターの3記事(サービス料・キャンセルポリシーの確認・本人確認)。Booking.com利用規約のA7・A9・B。いずれも2026年10月2日に閲覧
Airbnbの本人確認には、手順の注意もあります。提出する法的な氏名は、政府発行の身分証明書の名前と一致させること。違うと確認に時間がかかり、追加の提出を求められる場合もあります。
Booking.comの規約には、前払いの予約で期日に代金を回収できないと、宿が予告なしに予約を取り消すことがある、との定めがある。支払い方法の情報と残高の確認は、利用者の責任。到着が遅れそうなら、宿へ到着予定時刻を連絡するよう求められている。
損害補償用のデポジットは、宿がチェックイン前かチェックイン時に求めることがある。その場合は予約時に伝えられる、と規約にある。確認メールの「重要情報」欄は、保存しておくと当日に慌てない。
チェックイン前の本人確認と宿泊者名簿|パスポートの提示も
住宅宿泊事業(民泊新法)の宿では、宿泊開始までに宿泊者それぞれの本人確認が必要です。これは宿の側に課された義務ですが、泊まる側の手間に直結します。
観光庁「事業者の業務[1]」によると、宿泊者名簿には次の項目が必要です。
- 宿泊者の氏名・住所・職業・宿泊日
- 国内に住所を有しない外国人は、国籍と旅券番号も記載する
同ページでは、確認は対面か、対面と同等のICT(情報通信技術)を使った方法で行うとされている。条件は、宿泊者の顔と旅券が画像で鮮明に見えること。画像が届出住宅内かその近傍から発信されていることも必要。例としては、宿に置かれたテレビ電話やタブレットでの確認がある。名簿の保存期間は3年。
海外在住の同行者がいる場合は、パスポートを手元に出せる状態にしておくと確認が早く済みます。厚生労働省の案内「パスポート呈示等のお願い」も、日本国内に住所を有しない外国人の宿泊について、旅券の呈示とコピーを求めています。
予約前チェックリスト|6ステップ
ここまでの内容は、予約画面を開く前の5分でひととおり確認できます。順番どおりに進めてください。

- 泊まりたい日程と連泊数を先に決める(180日制限の影響を受けるかどうかがここで決まる)
- 使おうとしているサイトを観光庁の登録業者リストで引き、登録番号を控える
- 物件ページに届出番号または旅館業の許可に関する記載があるかを見る
- 検索一覧の金額ではなく、予約確定前の総額表示で清掃費やサービス料を含めた金額を確認する
- キャンセル規定と、当日の連絡手段(電話・チャット)を予約前に控えておく
- 本人確認の期限と、チェックイン時に必要なもの(同行者のパスポートなど)を予約確認メールで確かめる
ステップ2と3を飛ばすと、料金だけで選ぶことになります。トラブルが起きたときの対処は、民泊トラブル回避マニュアルにまとめています。
メリットとデメリットを並べて見る
制度で選ぶ方法には、はっきりした利点と手間の両方があります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 公的な登録簿という第三者の基準で判断できる | リストの更新時点より新しい登録は反映されていない |
| 届出番号の有無で物件単位の確認ができる | 旅館業法の宿はこの方法では確認できない |
| 連泊できるかどうかを予約前に見当づけられる | 条例による地域ごとの制限までは読み取れない |
デメリット側の3行目は自治体ごとに事情が違う部分です。住宅宿泊事業法は条例で実施期間を制限できる仕組みになっているため、平日は営業できない地域もあります。気になる場合は、観光庁の民泊制度ポータルサイトにある各自治体の窓口一覧から確認してください。
よくある質問(FAQ)
予約サイトによって同じ物件の料金が違うことはありますか?
あります。表示価格に何を含めるかはサイトごとの設計で、清掃費やサービス料の扱いも各社の料金説明ページで別々に定められています。検索一覧の金額ではなく、予約確定前の総額表示どうしを見比べてください。
民泊予約サイトが適法かどうかは、どこを見ればわかりますか?
観光庁「住宅宿泊仲介業者および民泊を取り扱う旅行業者のリスト」に会社名と登録番号が掲載されているかを確認します。住宅宿泊事業法第12条により、届出住宅の仲介は住宅宿泊仲介業者か旅行業者に委託することが定められています。
リストに載っていないサイトは使わないほうがいいですか?
そうとは限りません。このリストは住宅宿泊事業法の届出住宅を仲介する事業者の登録簿なので、旅館業法の許可を受けた宿だけを扱うサイトは対象外です。どの制度の宿を扱っているかを合わせて見てください。
民泊は年間180日しか営業できないのですか?
住宅宿泊事業法の届出住宅がその対象です。観光庁の制度比較によると、旅館業法の簡易宿所には営業日数の制限がなく、特区民泊は2泊3日以上の滞在が条件とされています。
AirbnbとBooking.comはどちらが安いですか?
一概には言えません。検索一覧の金額には、サービス料や清掃費が含まれない場合があります。Airbnbにはサービス料の体系が複数あり、料金内訳の出し方も物件ごとに違う可能性があります。同じ日程・人数で、予約確定前の総額とキャンセル規定を並べて見比べてください。
民泊でチェックイン前に本人確認やパスポートの提示は必要ですか?
住宅宿泊事業の宿では、宿泊開始までに宿泊者それぞれの本人確認が必要です。観光庁の説明では、顔と旅券が画像で確認できる方法も認められています。日本国内に住所を有しない外国人は、国籍と旅券番号の記載と、旅券の呈示・コピーが求められます。
届出番号はどこに書かれていますか?
住宅宿泊事業者には標識の掲示が義務づけられており、そこに届出番号が記載されます。予約サイトの物件説明欄に番号が書かれていることも多いので、見当たらない場合はホストに確認してください。
まとめ
民泊予約サイト選びは、料金の比較より前に制度の確認から入ると失敗が減ります。
- 日本の民泊は旅館業法・特区民泊・住宅宿泊事業法の3制度。営業日数と床面積の基準が違う
- 令和8年9月15日時点の届出住宅数は全国43,037件。届出後に廃業した住宅も24,895件ある
- サイトの適法性は観光庁の登録業者リストの登録番号で確認できる。Airbnbは S0001、Booking.com は S0044
- リストに載っていない=違法ではない。旅館業法側の宿を扱うサイトは対象外という読み方をする
- AirbnbとBooking.comの比較は、確定前の総額・キャンセル規定・本人確認・宿泊者名簿の4点で行う
制度の基礎から確認したい場合は、民泊とは?ホテルとの違い・料金相場・予約方法もあわせてご覧ください。旅の手続きでは今後も、旅行前に自分で確かめられる手順の形で情報を整理していきます。
最終更新: 2026-10-02
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の物件の適法性や契約内容を保証するものではありません。制度・登録状況の出典は観光庁 民泊制度ポータルサイト(「はじめに「民泊」とは」/「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?」/「住宅宿泊仲介業者および民泊を取り扱う旅行業者のリスト」令和8年6月22日時点/「住宅宿泊事業法の施行状況」令和8年9月15日時点/「事業者の業務[1]」)です。料金・キャンセル・本人確認の説明は、Airbnbヘルプセンター、Booking.com利用規約、厚生労働省「パスポート呈示等のお願い」によります。登録状況とリストの内容は更新されるため、予約前に必ず最新の公式ページをご確認ください。
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