秋田県は、日本の東北地方に位置し、「美しい自然」「個性豊かな祭り」「温泉」「独自の食文化」が揃う、知る人ぞ知る旅行の宝庫です。世界文化遺産のなまはげ・ユネスコ無形文化遺産の竿燈まつり・日本一深い田沢湖・秘湯として名高い乳頭温泉郷と、首都圏からは少し遠いながらも訪れる価値の高い観光地が多数あります。この記事では、秋田県旅行を最大限に楽しむための情報をまとめました。
秋田県へのアクセス
東京から秋田へは新幹線(秋田新幹線こまち)が最速3時間37分で結びます(東京〜秋田駅、自由席約15,000円〜)。飛行機(羽田〜秋田空港、約1時間10分)はLCC対応なら安くなる場合も。秋田空港から秋田市街地はバスで約40分(730円)。県内の移動はJR奥羽本線・羽越本線と路線バスが中心ですが、観光地への足はレンタカーが便利です。
角館|みちのくの小京都
武家屋敷通り
秋田新幹線こまちで盛岡から約40分、角館駅から徒歩15分の武家屋敷通りは、江戸時代中期から続く武家の屋敷が完全な形で保存されている貴重な町並みです。黒塀と玉砂利が続く通りは国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されており、内堀・外堀の武家地と商人地の区分けも往時のまま残っています。公開武家屋敷は無料〜500円で見学可能。武家屋敷の庭に植えられた枝垂れ桜は、4月中旬〜下旬に満開を迎え、東北随一の桜の名所として全国から人が訪れます。
樺細工(かばざいく)
角館を代表する伝統工芸が樺細工(かばざいく)です。ヤマザクラの樹皮を使った漆器・小物入れ・茶筒などは、年月とともに艶が増す独特の素材感が特徴。角館の職人の店や伝承館(入館料300円)で本物の技術と作品に触れることができます。他では買えない一品として旅のお土産にも最適です。
田沢湖|日本一深い湖とたつこ像
田沢湖は水深423.4mを誇る日本一深い湖で、その深さゆえに厳冬期でも全面結氷しない珍しい湖です。湖水は透明度が高く、光の加減によってコバルトブルーや深緑に変化する美しい色が特徴。湖畔には、永遠の美しさを願って竜に変身したという伝説の乙女・たつこを模した黄金のブロンズ像(辰子像)が立ち、田沢湖のシンボルになっています。湖畔1周(約20km)のサイクリングコースが整備されており、自転車(レンタル約2時間1,000円〜)でゆっくり一周する旅人も多いです。
田沢湖から車で約20分の場所に乳頭温泉郷があり、田沢湖観光とセットで訪れる旅行者がほとんどです。
乳頭温泉郷|東北最高峰の秘湯
7つの一軒宿と多様な泉質
秋田駒ヶ岳の麓、標高600〜800mのブナ林に7つの温泉宿が点在する乳頭温泉郷は、東北を代表する秘湯エリアです。宿ごとに泉質が異なり、単純温泉・硫黄泉・重曹泉・食塩泉と多彩な種類が楽しめます。最古の宿・鶴の湯温泉(1638年創業とも)は、白濁した硫黄泉の混浴露天風呂と茅葺き屋根の建物が絵になる光景で、テレビ・雑誌に頻繁に登場する秋田を代表する名湯です。
湯めぐり号と乳頭温泉めぐり
乳頭温泉郷では「湯めぐり帖」(3,500円、7施設の日帰り入浴1回分)を購入すると複数の宿の温泉を巡れます。各宿の湯は個性豊かで、鶴の湯・孫六温泉・大釜温泉などハシゴする旅人も多数。宿泊は数ヶ月前から予約が埋まることが多く、特に紅葉シーズン(10月上旬〜中旬)は超人気のため早期予約必須です。
秋田の祭り文化
秋田竿燈まつり(8月3〜6日)
秋田竿燈まつりは、毎年8月3〜6日に秋田市で開催されるユネスコ無形文化遺産(東北三大祭りの一つ)。高さ最大12m・重さ最大50kgになる巨大な竿燈(たんとう)に46個の提灯を下げ、額・肩・腰・手のひらでバランスをとる妙技を披露します。夜の大通りに揺れる約270本の竿燈は圧巻の光景。竿燈の数が多すぎて前が見えないほどです。昼間の演技体験会(竿燈を持たせてもらえる)も人気です。
なまはげ|男鹿半島の世界文化遺産
「泣く子はいねが〜!」のセリフで知られるなまはげは、男鹿半島に伝わる来訪神(らいほうしん)行事です。2018年にユネスコ無形文化遺産「来訪神:仮面・仮装の神々」として登録されました。本来は大晦日の夜に各家庭を訪問する伝統行事ですが、男鹿市の「なまはげ館」と「男鹿真山伝承館」(セット料金1,500円)では通年でなまはげの文化と実演を体験できます。子どもが泣き叫ぶリアルな迫力は大人でも圧倒されます。
白神山地|世界自然遺産のブナ原生林
秋田・青森両県にまたがる白神山地は、1993年に日本初の世界自然遺産として登録されたブナの原生林エリアです。13万ヘクタール以上にわたる手つかずのブナ林には、ツキノワグマ・ニホンザル・イヌワシなどの野生動物が生息しています。ハイキングコースは初心者向けの「暗門の滝コース」(往復約4〜5時間)から上級者向けの縦走ルートまで複数あります。新緑(5月下旬〜6月)と紅葉(10月上旬)の時期が特に美しく、自然愛好者には外せない聖地です。
秋田のグルメ
きりたんぽ鍋
秋田の郷土料理の代名詞、きりたんぽは炊きたてのご飯を潰して杉の棒に巻きつけ、囲炉裏で焼いたものです。鶏がらと比内地鶏のしっかりとした出汁にきりたんぽ・マイタケ・ネギ・セリ・糸こんにゃくを入れた「きりたんぽ鍋」は、秋田の秋冬の風物詩。比内地鶏(日本三大地鶏のひとつ)の旨みが溶け込んだ出汁は格別です。秋田市内や角館の郷土料理店で1〜2人前2,000〜3,000円程度。
稲庭うどん
三大うどん(讃岐・水沢・稲庭)の一つに数えられる稲庭うどんは、湯沢市稲庭地区発祥の手延べうどんです。独特の平打ちで、滑らかな喉ごしとコシのある食感が特徴。冷たいざるうどんで食べると、のど越しの良さを最大限に楽しめます。有名老舗「佐藤養助商店」は秋田市や角館にも支店があり、旅の途中で立ち寄れます(ランチ1,000〜1,500円程度)。土産用の乾麺も定番のお土産です。
横手やきそば・比内地鶏
横手市発祥の横手やきそばは、福そばと半熟目玉焼きが乗った独特のスタイルのソース焼きそばで、富士宮やきそばと並ぶB級グルメの雄。横手市内の専門店で500〜700円程度で食べられます。また比内地鶏は、一般的な鶏に比べて旨味アミノ酸(イノシン酸)が豊富で、親子丼・焼き鳥で食べると違いがよくわかります。
秋田犬のふるさと・大館市
大館市は忠犬ハチ公と秋田犬のふるさとです。「秋田犬の里」施設(入館600円)では秋田犬と触れ合えます(コース予約制、1人1,000円〜)。駅構内にも秋田犬が待機していることがあり、旅行者と交流する姿がSNSで話題に。秋田犬は現在、外交ギフトとして各国元首に贈られるほどの国際的な知名度を持つ犬種です。
おすすめシーズンと旅のモデルコース
秋田旅行のベストシーズンは春(4月中旬〜下旬)の角館の桜と秋(10月上旬)の乳頭温泉郷・白神山地の紅葉。夏は竿燈まつり(8月)が熱く、冬は鶴の湯温泉で雪見露天が最高の季節です。
2泊3日モデルコース:1日目(秋田市)→ 秋田市内散策・竿燈まつり会館見学 → 市内泊。2日目(角館〜田沢湖)→ 角館武家屋敷 → 田沢湖 → 乳頭温泉泊(要早期予約)。3日目(男鹿半島)→ なまはげ館 → 男鹿温泉郷 → 帰路。